富裕層がきっちり管理するもの
わらしべ長者は貧乏から富裕層までのし上がった成功譚としての読み物としても面白い。
現代においては、富裕層といってもさまざまなタイプがいる。アーリーリタイアのような形でのんびりと過ごしている人もいれば、生涯現役を貫こうと常に忙しそうにしている人もいる。
お金がないと、会社に合わせて生活する必要があるので画一的なライフスタイルになりがちだ。しかし、個人でビジネスを立ち上げるか、生活に困らないだけのお金があるならば、そんなことをしなくても済む。従って、本人の価値観によってライフスタイルがガラリと変わるのだ。
ただし、どの富裕層にも共通していることは1つある。それは、資産や税金の管理を厳密に行なうことだ。もちろん、信頼できる税務の専門家に任せるという人もいれば、専門家に任せたうえで自分でもしきりに関与するという人もいる。
わらしべ長者の男も、家と田をもらった時には、食料を管理する人や田を管理する人を雇い入れて、収穫と保管をきちんと管理していた。
自分一人では対処しきれないと思ったら、一人で抱え込むのではなく、周りの人間に手を貸してもらうのが最善である。
なぜ節税対策をするのか
資産管理をきっちりするのは誰でも思いつくだろう。税金の管理をきちんとする理由は、お金を増やすよりも、節税をして持っていかれる金額を減らすほうがインパクトが大きいからだ。資産を多く持っている人ほど、節税の影響は大きくなる。
莫大な資産を持っている一族であれば、優秀な専門家を集めて数年~数十年先を見越した計画を練り上げることもするらしい。
ただ、ここまで金を投じて節税対策を行なうくらいの用意周到さは、パナマ文書に登場しかねないレベルの資産家であり、雲の上の人々の話になる。
節税は合法のリスクマネジメント
節税はキャッシュに対する影響が大きいという理由もあるが、一番の理由は「合法の範囲でリスクマネジメントができる」からだ。節税を行なっておけば、手元に残る資産が増えるので、将来の不幸や業績不振が訪れたときのリスクマネジメントになる。
赤字だと節税は関係ないと考える人もいるが、個人事業主や法人であれば、赤字を繰り越すことができる。その分多くの資産を残すことができれば、会社をさらに発展させることもできるだろう。万が一の場合には備えにもなるし、従業員に還元することもできる。
特に会社を持ち、多くの従業員を抱える富裕層にとって、節税は会社を発展させるために欠かせない対策なのだ。
財布が軽ければ心は重い。
ゲーテ