リアルわらしべ長者の事例
わらしべ長者に似た童話は世界中に見られる。嫁を手に入れたり、金持ちになったり、あるいは目に見えない歌になったりするが、物をだんだんと交換していくというスタイルは変わらない。
そのため、日本だけではなく、海外でもわらしべ長者のようになるべくチャレンジを始める人もいる。
赤いペーパークリップを一軒家に
カナダに住むカイル・マクドナルドという人は、2005年にブログで「1つの赤いペーパークリップを家に換える」という目標を公表した。Craigslistという掲示板にペーパークリップを掲載して物々交換をスタート。交換の経緯をブログに記録し続けた結果、1年後には夢が叶うことになり、カナダのキプリングという町にある一軒家を手に入れた。
赤いクリップはペン、ドアノブ、発電機、パーティーセット、スノーモービル、車というモノに交換されていたが、次第に旅行、レコーディング契約、家に1年間住む権利、ロックスターと半日過ごせる権利、映画の出演権という形のないモノとの交換も経て、一軒家に到達した。
古い携帯電話をポルシェに
2010年には、アメリカに住むスティーブ・オーティズという高校生が、古い携帯電話をポルシェにしたというニュースがネットで話題になった。
彼は、友だちからタダでもらったお古の携帯電話をCraigslistに掲載し、物々交換の相手を募ったのだ。古い携帯電話は、iPad、自転車、ノートPC、ゴルフカートなどに代わり、最終的にポルシェになった。
ペーパークリップを家にした人は、ブログで交換のようすを配信しており、世界中から注目されていたことが実現の後押しになっている。ファンも付いていたし、ニュースになったことで注目の的になっていた。もちろん、こちらも十分な偉業だが、彼の場合はポルシェにするまでほとんど経緯を公表せず、自力で成し遂げたという点が驚きのポイントだった。
ちなみに、ポルシェの前には1975年式のFord Broncoだったと記載されている。
車の価値が分かる人には分かるかもしれないが、明らかにFord Broncoのほうが高価である。しかし、本人は免許を取ったばかりで、ポルシェを運転してみたかったらしい。世間一般で言われている価値よりも、自分にとって価値のある方を選ぶというのは決して悪いことではないだろう。
目標は換えない
一軒家でも、ポルシェでも、成功している彼らに共通しているのは、ゴールが明確だったことだろう。「価値をどんどん高めていく」というだけでは、判断軸もブレるし、ここまで成功しなかったに違いない。
一般的に言われる価値、他人が言う価値よりも、自分にとっての価値を重視することが大切なのだ。
目的と方針がなければ、努力と勇気は十分ではない。
ジョン・F・ケネディ